2020/4/19

「呼吸するジュエリー」展の会期を終えました。このような日々にも、ジュエリーを必要としてくださる方々がいることに、関わる人たちと共に驚き、喜び、最後までご案内を続けることができました。ありがとうございました。

会期のはじまる前、考古学博物館へ立ち寄りました。約1万年前、自然との対話を深めていく当時の人々が、装身具に何を求めていたのか、もう一度確かめたくなったからです。
展示室には、動物の骨角、貝殻、木などの装身具が所狭しと並んでいます。そのひとつひとつから、祈りの気持ちが伝わってきました。

二年ほど、習慣のように身に着けている木のブレスレットがあります。生物素材のジュエリーは、時間が経つにつれて色艶が深まるとともに、使う人の記憶が蓄積されて特別な存在になっていきます。森や海の記憶に人の記憶が重なっていく姿は、まるで小さな命を身に付けているかのように、温かく確かな力に満ちています。

「木肌色のブレスレット」
もみじばふう(神奈川)

“Wood cuff” Bracelet
Momijibafu (Liquidambar styraciflua, Japan)

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