2018/9/23

Japanese Abalone shell for earrings (Oki/Izu, Japan)

 

清々しい秋の日。春から夏にかけて、漁師や産地に協力してもらい集めてきたアワビの貝殻の仕分け作業です。大きさ140〜180ミリ、厚みも充分。素材ありきのものづくりでは、良い素材が揃うと気持ちがぐんと弾みます。今年は、隠岐の島のほか、伊豆のアワビも加工します。

全体の大きさを採寸し、殻の厚みや虫食いの状態を確かめながら印を付けていきます。大きなアワビは、海の中で生きてきた年数も長いので、虫食いの少ない貝殻を手に入れるのは容易ではありません。

貝殻ひとつひとつに産地名を書き入れて、アワビの種類や生育環境による色合いの違いなど、気が付いたことを記録します。昨年は、虫食いの目立つアワビに、黒みがかった深い色の真珠層が多く見られました。外敵から身を守ろうとする過程で、黒く色が変化したりコブができたりするそうです。

初めて加工している伊豆のアワビは、原貝の殻皮から想像していた色とは違う、オリーブがかったシックな輝き。隠岐の島のアワビは黒真珠のような大人の輝きです。どちらも、奥の方から輝く深みのある素晴らしい色合いです。

写真はピアスの裏面となる、原貝の内側です。海底を生きてきたアワビ貝と貝加工職人のセンスが作り出す自然な凹凸を残した表情に、ぐっと愛着が深まります。ひとつひとつ産地と貝種を確かめて、18金フックの加工に入ります。

ご要望の多いイヤリングタイプもご用意します。

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