2018/12/14
“to cosmos” Earrings
Kurogaki (Black persimmon, Japan) / K18YG
天然木のなかでも、黒柿は特に個々の樹木によって全く表情が異なります。墨を流し入れたような縞模様や、孔雀杢と呼ばれる緑がかった杢、真黒(まぐろ)とされる黒一色の部分など、古来より茶道具などの工芸品の素材としても珍重されてきた黒柿の表情には、他に類を見ない奇抜ささえ感じられます。圧倒的にかっこいいのです。
真黒の部分を木取りした黒柿のピアスが仕上がります。木目を水平に流すことで、真黒の中に潜む濃淡のグラデーションが目に馴染み、際どい端部に開けた穴まわりの強度も安定します。
左上のペアは、マットなガラスコーティングをかけて仕上がったピアスです。コーティングをかけることで光が乱反射しなくなり、水に濡れたように一段階濃く見える「濡れ色」となります。右下のペアは、轆轤加工を終えた素肌の状態。素肌のままでも美しいこの色艶を、塗膜で閉じ込めないように、二度に分けて薄いガラスコーティングをかけていきます。汚れを浸み込みにくくするための工程です。
樹木の木肌と人間の素肌は、とてもよく似ています。触れるほどに同じ生き物だと感じます。