2018/11/30

“Rose petals” Earrings
Red coral (Kochi, Japan) / K18YG

 

“花びらのピアス”
赤さんご(高知)、K18YG

 

赤珊瑚のピアスが艶やかに仕上がりました。

ひとつひとつ異なる形は、珊瑚の原木の姿に由来しています。左から二列目の手前、二股に分かれているピースは、原木の枝分かれ部分。そのままの姿をギリギリのところまで生かしながら、虫食いや「ふ」と呼ばれる白く脆い部分を取り除いたり裏面に回しながら、形を作っていきます。虫食いが奥に向かって広がっていることもしばしば。内部の状態は削ってみないとわからないので、どこをどう削ったらバランスが整うのかは、数多の赤珊瑚を手にしてきた珊瑚職人の経験と勘だけが頼りです。 .
.
「ふ」が生じるのは日本の赤珊瑚のみ、地中海産の赤珊瑚にはありません。金具の付いている裏面に残した「ふ」は、日本の赤珊瑚の証です。一切の染色をしていない珊瑚の赤、裏面の「ふ」の白、どちらも、命あるものから生まれた素材そのままの表情です。

イヤリングも数点ご用意しました。12月より順次、お取扱店へお届けします。縁起の良い赤色のジュエリーを、この冬のギフトにぜひ。

2018/11/24

“Wood cuff” Bracelet
Momijibafu (Liquidambar styraciflua, Japan)

新作のウッドブレスレットは3つのデザイン。ふっくらとした丸みの「ボウルカフ」は、身に着けた人はもちろん、周りの人まで温かい気持ちに。タイトに巻き付くように薄く削り込んだ「ベルトカフ」は、袖口の中にもすっきり納まり季節を問わず活躍します。極細く削り出した華奢な「リボンカフ」は、重ね着けも楽しめるデザインです。それぞれSサイズとMサイズをご用意しています。
写真1枚目と2枚目は、「ベルトカフ」のSサイズです。

肌に触れる内側まで丁寧に磨き上げられた、スベスベと撫でたくなる気持ち良さ。マットで透明度の高いガラスコーティングは、汚れを防ぎながらも木肌を塗膜で封じ込めないため、木が呼吸することのできる自然な質感です。

時を経て深みが増し飴色になっていく経年変化も楽しみのひとつ。丁寧に使っていると丁寧な味わいに、大らかに使っていると大らかな味わいに。木は、使い手の身のこなしが表情にあらわれていくヒューマンな素材。そこが愛おしくてたまらないのです。

2018/11/9

Some we love, some we hate, some we eat: Why It’s so hard to think straight about Animals.

 

新作のフェザーピアス〈to sky〉の茶縞色のピースは、日本きじの肩羽を重ねています。

一枚の羽は、艶があり水をはじく先端部分の「体羽」と、綿状で熱を保つ根元部分の「後羽」から成り、それが少しずつずれて重なりながら、流線型の鳥の体全体を覆っています。
.
.
〈to sky〉は、艶のある先端部分を、生きている姿そのままに倣って、小さな翼を作るように重ねています。ビロードのような光沢を持つ体羽は、羽軸から枝状に広がった羽枝がしっかり絡み合って、そっと撫でるときれいに形が整います。

2018/11/4

A pair of feather earrings that have 33 layers each.

 

“to sky” Earrings
Green pheasant (Iwate, Japan) / K18YG

 

羽根をセットアップする時は、空気を動かさないように、静かに呼吸します。

新作のフェザーピアス〈to sky〉は、日本きじの雄の羽根を、一片に33枚、1ペアでは66枚、重ねています。

雨や寒さから身を守り、雌への愛情を表現するために進化した雄の羽根は、軽く丈夫で暖かく、一目惚れしそうな美しさです。

2018/11/2

“to sea” Earrings
“to cosmos” Earrings
Japanese wood / K18YG

黒柿という名前の木は学術上はなく、樹齢の高い柿の古木に極稀に現れる、墨を流し入れたような縞杢を持つ柿の木のことを呼びます。なぜ黒色に染まるのかは、未だ解明されていません。

特に、樹の芯に現れる黒一色の部分を「真黒」と称して「マグロ」と呼びます。黒柿のなかでも大トロの部分です。

木工作家の藤井慎介さんと銘木談義をしていたら、真黒(マグロ)の中に潜む濃淡の揺らぎの話に花が咲きました。色味の異なる数多の「黒」が作り出す、世界にひとつだけのテクスチャー。真黒の木目中に多様な黒を見い出すことができるのは、日本人ならではの鋭い感性です。

日本の風土から導き出された湿度を感じる黒柿の光沢は、日本人の黒髪の艶とどこか奥深いところで繋がっているように見えます。

2018/9/23

Japanese Abalone shell for earrings (Oki/Izu, Japan)

 

清々しい秋の日。春から夏にかけて、漁師や産地に協力してもらい集めてきたアワビの貝殻の仕分け作業です。大きさ140〜180ミリ、厚みも充分。素材ありきのものづくりでは、良い素材が揃うと気持ちがぐんと弾みます。今年は、隠岐の島のほか、伊豆のアワビも加工します。

全体の大きさを採寸し、殻の厚みや虫食いの状態を確かめながら印を付けていきます。大きなアワビは、海の中で生きてきた年数も長いので、虫食いの少ない貝殻を手に入れるのは容易ではありません。

貝殻ひとつひとつに産地名を書き入れて、アワビの種類や生育環境による色合いの違いなど、気が付いたことを記録します。昨年は、虫食いの目立つアワビに、黒みがかった深い色の真珠層が多く見られました。外敵から身を守ろうとする過程で、黒く色が変化したりコブができたりするそうです。

初めて加工している伊豆のアワビは、原貝の殻皮から想像していた色とは違う、オリーブがかったシックな輝き。隠岐の島のアワビは黒真珠のような大人の輝きです。どちらも、奥の方から輝く深みのある素晴らしい色合いです。

写真はピアスの裏面となる、原貝の内側です。海底を生きてきたアワビ貝と貝加工職人のセンスが作り出す自然な凹凸を残した表情に、ぐっと愛着が深まります。ひとつひとつ産地と貝種を確かめて、18金フックの加工に入ります。

ご要望の多いイヤリングタイプもご用意します。

2018/9/21

“Wood cuff” Bracelet
from right
Ball cuff
Belt cuff
Ribbon cuff

秋支度に、肌触りの良いウッドブレスレットはいかがでしょう。

新作のウッドブレスレットは3つのデザイン。身に着けて街に出ると、ブレスレットを見た人たちの表情が、ふと緩むのを感じます。

身に着けた人はもちろん、周りの人まで温かい気持ちにしてしまう天然木の魅力。「人はなぜこんなにも木に親しみを感じるのか」については、様々な研究がなされていますが、その鍵となるのは、「DNA」と「呼吸」なのだそう。

酷暑のなか、木工職人と一緒に手を動かし、木と正面から向き合って作り込んだ自信作。ふっくらとしたフォルムと端正な稜線、内側のなめらかな肌触りにこだわって仕上げています。製材所にオーダーした真横に流れる木目は、日本建築には欠かせない「柾目(まさめ)」と呼ばれる上品な表情です。

10月より順次、お取扱店でご覧いただけます。SサイズとMサイズをご用意しています。

2018/9/7

FOR STOCKISTS EXHIBITION 2018 at Jiyugakuen Myonichikan

 

自由学園明日館で開催されている合同展示会「FOR STOCKISTS EXHIBITION 2018」に今年も出展しています。

2018/7/31

Designer’s short writing is now on “CYAN” ISSUE018

 

本日発売の「CYAN」ISSUE018 に、小さな文を寄せました。

いまどきの小学校の教科書も、いまどきの美容誌も、頁の奥に秘めた力が半端なく、只者ではありません。

2018/7/6

“to cosmos” Earrings
Abalone (Japan) / K18YG

 

ピアスホールを開けていない方々からご要望の多かったイヤリングが仕上がりました。

ラインが細くフープピアスのように着けられるイヤリングは、アワビの直径が30ミリと18ミリの2サイズ(写真は18ミリ)。7月14日から始まる東京ミッドタウンのイベントでは、オーダー以外で初めてイヤリングをご用意しています。ぜひこの機会にお手に取ってご覧ください。

耳たぶの厚みは人ぞれぞれで、日本人の平均は5〜6ミリ。薄い人と厚い人では3〜4ミリも差があります。このイヤリングパーツは、耳たぶの厚みに合わせて微調整固定ができるクリップタイプです。耳たぶの薄い人も外れにくく、耳たぶの厚い人も痛くなりにくい、ストレスのない着け心地です。

クリップ部分は小さく目立たないため、これからの季節、髪をアップにした時の後ろ姿も美しくキマります。

©su Ha ALL Rights Reserved.