2020/3/13

鹿角のピアス

“first” Earrings
Antler (Hokkaido, JAPAN)/ K18YG

Some we love, some we hate, some we eat: Why It’s so hard to think straight about Animals. /Harold Herzog

 

小ぶりな鹿角ピアスが揃いました。ひとつひとつ表情が異なります。

エゾシカの鹿角をくるくる回しながら観察し、色と柄がはっきりした部分だけを、職人と一緒に、一枚ずつ切り分けています。切りはじめると、獣の匂いがします。
フックは、バンビが跳ねているような、躍動感のあるカーブを描いています。それぞれの鹿角の丸みに合わせて、K18の角線材を手仕事で曲げています。

 

鹿角のピアス

鹿角を初めて手にして、試作を始めたころに、偶然図書館で見つけたのが、「ぼくらはそれでも肉を食う 人と動物の奇妙な関係」という本でした。目次には「ソファにネコ、皿には牛 人はみんな偽善者?」という問いかけが。動物と人間の関係は矛盾に満ちています。

ファーフリー、アニマルフリーを唱えるブランドが増えて、毛皮や羽根や角を使った製品が一括りに疎まれるなか、動物素材を使うものづくりに対してシンプルな答えを出してくれたのが、北海道自然資源活用機構の北原さんでした。

su Haのジュエリーに使われている鹿角は、北海道で個体数管理のために捕獲された12万頭/年ものエゾシカから得る、サスティナブルな素材です。命の尊さ、本当の意味での共生とはなにか。現場を歩くエゾジカ学の研究に裏打ちされた北原さんの取組みが、鹿角ピアスの礎です。

北海道のエゾシカやアライグマの毛皮もたまらない美しさです。時を超えて命がつないできた必然の形質には、人の作るものが及ばない、洗練された美しさと精妙な合理性があります。毛並みに触れるたびに命を思う、私の大切な宝物です。

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