2021/5/3


本土との間を直接結ぶ交通機関のない島を二次離島といいます。いま取り組んでいる真珠が生まれるのは長崎の二次離島。はじめて島へ手紙を送った日から半年近く経つけれど、未だ訪ねることができません。

その現場はアナログで、ガラケーと郵便でのやりとりが続いています。電話口からは、海の音がしたり、作業の音がしたり、誰かが呼ぶ声がしたり、画面越しでは聞き逃してしまいそうな気配が伝わってきて、まだ見ぬ景色が広がります。

島から届いた原珠は、生々しく多様な表情をしています。核と真珠層の間には、ブルーグレーを発色させる黒褐色の有機層も見られます。広がる景色を感じながら、真珠の色と形の成り立ちを紐解きます。

©su Ha ALL Rights Reserved.