2018/4/26

“Rose petals” Earrings
Red coral (Kochi, Japan) / K18YG

 

“花びらのピアス”
赤さんご(高知)、K18YG

 

濡れたように艶のある赤珊瑚が仕上がりました。ひとつひとつ異なる形は、珊瑚の原木の形に由来しています。

珊瑚の加工所では、立派な原木、原木から切り出された枝、傷のある端材、さらには細かく砕かれた粉まで、きちんと仕分けされ、珊瑚が大切にされていることがひしひしと伝わってきます。そのなかから、大きさと形が不揃いでも、色艶が美しい部分を取り上げて、内にある美しさを探しながら丁寧に磨きあげました。

珊瑚は、その原木の形から植物だと思われていることが多いようですが、実は動物です。大きさ数ミリのイソギンチャクのような体で海底にはりつき、海中のカルシウムを取り込みながら自分の体の外に骨格を作りながら成長します。この骨格が、私達の知る珊瑚です。体の外に骨があるなんて、生き物は驚くほど多様ですね。

赤珊瑚の加工が盛んな高知県宿毛市は、東西にのびる高知県の西端に位置しています。東京から宿毛へ向かうには、いくつかの手段がありますが、いちばんのお気に入りは、寝台列車で東京から岡山まで、岡山から電車を乗り継ぎ高知まで、高知から車で2時間かけて宿毛まで、13時間の陸の旅です。さらに土佐清水港まで車を走らせると、色とりどりの珊瑚漁の網を携えた多くの漁船が港を出たり入ったりしています。土佐清水港では、漁師たちが「あししょく」と呼ぶ、あしずり食堂のサバ寿司が美味しい。土佐のサバ、土佐の珊瑚、日本の海の恵みです。

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