2019/2/15

“to cosmos” Earrings
Abalone (Japan) / K18YG

 

海で生きているアワビは海藻やフジツボで覆われていて、岩のように擬態して外敵から身を守っています。海中で擬態したその姿は、熟練の漁師でも見分けることが難しいことがあるそうです。

su Haのアワビのアイテムは、それらの付着物と外層(稜柱層)を手作業で削り取り、その下に潜む真珠層を丁寧に磨き出して作られています。真珠層の厚みから生まれる奥行きのある輝きを引きだすために、貝殻の自然な丸みに合わせて厚みいっぱいに型取りする作業は、機械に任せることのできない、職人の手の感覚が頼りの仕事です。

アワビの貝殻の輝きは、炭酸カルシウムの板状の結晶と有機物の薄膜が規則正しく積み重なった構造が反射する、光の干渉作用によって生まれます。とても薄い陶板が、柔軟な接着層で重ねられているようなイメージです。1ミリの厚さあたり約1000枚の結晶が重なり、接着層がクッションの役割をしているため、非常に強くてしなやか。簡単に割れることはありません。人間のようにエネルギーを使って高温で焼き固めたりすることなく、ゆらゆらと海水中の炭酸カルシウムを体に取り込んでいくだけで柔靭なセラミック層を作っている。貝類が誕生して約5億5千万年、時を超えてアワビがたどり着いた進化の形です。

真珠層の重なりには方向性があり、輝きを増す角度が決まっています。耳に着けた時に最も光を集めるように、右耳用と左耳用のパーツに取り分けます。

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