2021/8/5

樹木の内に宿る表情を読み取り、その美しさを巧みに挽きだすのが製材という仕事です。樹皮や年輪を手がかりに、幹の内側に隠れた木の癖を見極めて、丸太から板材を挽いていきます。刃を入れるわずかな角度の違いによって、現れる表情が大きく変化します。
ウッドジュエリーは、樹木から現れる表情そのものがデザイン。丸太から板材に製材する人の手でデザインが決まります。木目の美しさは、自然が与えてくれたものではあるけれど、自然そのままではありません。


2020/12/20

〈su Ha〉のジュエリーは、 生物素材に上質なK18を合わせています。
ひとつめの理由は、K18は変色しにくいこと。空気や肌に触れても黒ずみにくく、布で軽くお手入れすることで色合いを保てるため、白木や白竹といった淡い色の素材と合わせても、色移りの心配がありません。
生物素材は、時を重ねるにつれて色艶を増していきます。〈su Ha〉は、生物素材のありのままの色艶を大切にしたジュエリーです。

ふたつめの理由は、K18は金属アレルギーを起こしにくいこと。金属アレルギーを発症するタイミングは様々です。体に蓄積されたアレルゲンがその人ごとの許容量を超えることで引き起こされるため、すぐに発症することもあれば、何年も経ってから発症することもあります。そして、いちど金属アレルギーが起きると、ほとんど治ることがありません。
私もそのひとり。大切にしてきたシルバーのリングやネックレス、シェルと真鍮を合わせたお気に入りのピアスは、ある時を境に身に着けることができなくなりました。
生物素材は、時を重ねるにつれて愛着を増していきます。〈su Ha〉は、身に着けるごとに自分の肌のように感じられるジュエリーです。

三つ目の理由は、K18はこれまでもこれからもリサイクルされ続ける素材であること。採掘された金は、人々の手によって様々に形を変えてここに在り、そのルーツは古代の金貨や王冠だったかもしれません。また、地金の工房では加工で生じるわずかな切粉まで丁寧に集められ、自立した循環のしくみによって新しい形へ生まれ変わります。
生物素材は、自然から生まれ自然に還る素材です。〈su Ha〉は、循環する素材によるジュエリーです。
2020/5/26
Prototype almost done.
During this process, I realized just how much my work depends on the people have built lives in harmony with materials.
I miss you all.
プロトタイプに取り組んでいます。素材の癖を感じながら、手を動かしています。
近づきたい形が見えてきたら、そこからは、素材を深く知る産地や職人の人々とともに製品へ仕上げていきます。
毎日、手を動かしていて思うのは、「その人々に会いに行かなければ作れないものを作っている」ということ。
繊維の流れ、表層の厚み、稜線のニュアンス。プロトタイプを手掛かりに、さらに素材を解きほぐしていきます。ここからは現場での工程です。
四季と歩調を合わせ、一年に一度、秋に新作をご紹介しています。どうぞお楽しみに。