2022.11.6

“Rose bouquet” Red coral and K18 yellow gold stud earrings【NEW】
設計図で寸法を割り付ける木材や貝殻と異なり、赤珊瑚のピアスはひとつひとつの原木の姿から導きだされた巡り合わせのデザインです。そこかしこに隠れている虫喰いの穴は、原木を削ってはじめて道筋が見えてくるため、どこを取り除きどこを取り込むかの見立ては、長年赤珊瑚と向き合ってきた職人の勘だけが頼りです。
赤珊瑚のカボションは、いつも決まったひとりの職人が加工しています。そのとき手に入る原木をできるだけ削らず生かした唯一無二の形には、赤珊瑚への愛情が溢れていて、磨きあがりが定番サイズに比べて小さくても大きくてもすべてそのまま受け入れる約束をしています。
新作のピアス“Rose blossom”は、職人が削りだしたカボションのなかに時折混じってくる大ぶりなものを、何年も掛けてストックしてきた赤珊瑚です。大きなカボションは、着けると耳たぶの上に納まらず裏面の虫喰いが見えてしまうことから、ひとつひとつのカボションに合わせて型取りしたK18で丁寧に包み込んでいます。
銀座・和光本店のジュエリー展には、定番サイズのピアスとともに、大ぶりな赤珊瑚を贅沢に使った新作のピアスも並びます。高知県土佐沖を産地とする赤珊瑚は、世界最高の宝石珊瑚と評価を受ける日本の名品です。

2022.10.27

“Black cuff” Wood bracelet
Wood bracelet dyed with sumi ink. Sumi ink is made from soot, a black powder composed of carbon produced when wood is burned.
That is to say Wood bracelet dyed with wood.
2022.10.22

北海道厚沢部町から届いたイタヤカエデの木取りをしています。複雑に入り組んだ木目と縞状の木理が重なり合った、美しすぎる縮み杢。
厚沢部町を初めて訪ねたのは四年前。最低気温マイナス12℃、最高気温マイナス11℃、記録的な寒波となった凍てつく日のことでした。函館空港から車で西へ走ること二時間。どこまで行っても視界は一面の白い世界、山道へ入ると前にも後ろにも車はなく、何を頼りにハンドルを切ればいいのかわからなくなるほどでした。
イタヤカエデの白い木肌を見るたび、あの白い世界が思い出されます。厳寒の地が育む硬質な木肌は、艶やかな光沢を帯びています。

細かく縮れた樹皮からも、みっちりと縮み杢が内包されていることがわかります。一本の丸太から製材されたイタヤカエデの共木です。
大きなアイテムから先に木取り、不揃いな小さな材をウッドカフやウッドリングに仕上げます。樹皮近くに浮かび上がる艶やかな光沢も、端々まで無駄なく活かしていきます。



2022.10.18

曲硝子工場に来ています。
硬い硝子がとろりと溶けだして、やわらかなカーブを描きます。
新作完成まであと一歩。
どうぞお楽しみに。

2022.10.13

ふた通りの長さにアレンジできる、オリジナルデザインのロングフック。
くの字で留めれば顎下に、丸めた継ぎ目まで差し込めば顎上に。髪型や襟元に合わせて、ふた通りの長さを楽しめます。
“UNKEI” Amber hook earrings
2022.10.8

“Wood ball” hoop earrings
樹木が描いた年輪のラインをシンプルな輪郭に閉じ込めています。濃く見える細いラインは樹木が眠りについた月日を表す冬目、明るく幅の広いラインは樹木が生長した月日を表す夏目です。
一年ごとに冬目と夏目が重なるゆらぎのラインは、長い年月をかけて樹木が描き出す命の軌跡です。

2022.10.8

10月8日は「木の日」
「十」と「八」を組合わせると「木」になることから定められたそう。今年は林野庁の方々と対話しながら、ピンブローチを試作しています。隠岐の島の百年生超えの松山から切り出した琥珀色の年輪。
2022.9.23

“daughter” Akoya pearl pendant charm /baroque
五島を訪ねて原珠を選り分けながら「バロックを横向きにしてペンダントにしたらいいと思うんやけど」と言われたことから生まれた真珠のチャームです。バロックパールは珠の重心を下に向けることが多いけれど、上や横、斜めに向けると、生き物らしい動きが感じられます。
真珠は母貝の生命現象を通じて体内で生み出される代謝生産物です。バロックパールは、母貝が体をよじることで核が動いて形づくられる真珠です。美しく揺らいだバロックパールからは、母貝ひとつひとつの軌跡をたどることができます。

大粒のあこや真珠のペンダントチャームは、お手持ちのネックレスチェーンに通してペンダントとして楽しむほか、ブレスレットやフープピアスにプラスしたアレンジも自在です。コンパクトなチャーム金具は、チェーン端部が通りやすい形です。
〈 su Ha 〉ONLINE SHOP にてご紹介しています。どうぞご覧ください。

2022.9.22

磨きたての赤珊瑚が揃いました。
相性の良い表情をペアにして、シンプルな一粒ピアスに仕上げます。
個性の強いものどうしは、引き寄せ合うように相手が決まります。
2022.9.14

片耳をなくしてしまって、というお問合せをいただくことがあります。そのまま仕舞い込んでしまわずに、また着けたいと思ってもらえることがうれしくて、片耳でのオーダーもお受けしています。
できるかぎり近い表情に仕上がるように、手元に残る片耳の写真を多めに送ってもらいます。採寸をお願いすることもあります。
表情を合わせやすいのは黒曜石、黒柿や琥珀も調和しやすい素材です。難しいのはあわびと赤珊瑚、最も悩ましいのは鹿角です。